自作キーボードを作ろう!その4 - 終わりと始まり
前回までの自作キーボードを作ろう!は
自作キーボードを作ろう! その1 - 決意の朝に編 - CapsLock.Note
自作キーボードを作ろう! その2 - 下準備編 - CapsLock.Note
自作キーボードを作ろう! その3 - 組み立てと展望編 - CapsLock.Note
要約:
勢い余ってErgo Dashキット購入
↓
ダイオードをぶっ刺す
↓
はんだごて、はんだ、こて先を購入していざ、はんだ
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ざっくり組み立てが終わり、キースイッチの選定を進める
↓
ついに全てのパーツが揃う時...(イマココ)
※この記事はだいぶ思い出しながら書いているため、正確性は保証できません。細かい技術についてもこの記事の内容を参考にした結果については責任を負いかねますのでご注意ください
どれくらいの時間が経っただろう。
第3回の執筆途中に資金面が調整できなかった結果、後述で決定したキースイッチも数を用意できず、キーキャップは探せど探せど目的のものが見つからず...
ついには最初のめんどくさい作業は終わらせていたにもかかわらず完成を目前に企画自体が頓挫してしまっていた...
しかし!まだ!まだ終わってない!
あの作業の後、色々調べた末にPCとキーボードを繋ぐ線自体は確保した。商品がリンク切れになっていてここには貼れないのだが、マグネット式で端子部分とケーブルが分離するものである。
キースイッチの苦悩
試したキースイッチ
Kailh BOXの黒と茶
Kailh ProのBurgundy
Kailh SpeedのCopperとRosePink
選ばれたのは
Kailh SpeedのCopperでした。
絶妙なコトコト感と跳ね返り、うるさくないぐらいの適度な打鍵感。
キースイッチのはんだ
実は3の記事の記載はものすごく最近だが、実際の作業はめちゃくちゃ前なので、3-4の実作業には非常に間が空いている。なので、せっかくはんだにも慣れていたのに、またキースイッチのはんだで地獄を見ることになるのだ...
ホットスワップを諦めるということ
制作当初はホットスワップ(キースイッチごと取替が可能な構造)にする予定だった。
が、果てしなく繊細なはんだ付けをする必要があるため今回は断念。そもそもキースイッチを変えたくなることなんかないだろを言い聞かせた。
キーの下は光らなくてもいいんじゃないかという天啓
これも当初はunderglowに加えてbacklightももちろん動作させる予定だった。
が、これをするとキースイッチに対してのはんだの数が単純に倍になるので断念。
キーキャップの苦悩
全く知らなかったのだが、キーキャップ自体にもプロファイル、すなわち分類がある。
そして今回探したのがMDA big bangというものである。
そもそもErgoDashには1Uや1.5Uのキー領域が多く、標準のキーセットを購入してもうまく配置できない可能性が高そうだった。なので、作例にあったものを特定して購入に走ろうとした...
のだが、このMDA big bang、どこもかしこも品切れしているのである。ここでこれの入荷を待つことで僕の心がどんどん磨耗していくことを察知したので、いかような手段を取っても手に入れる必要があった。
探せども探せども在庫が見つからず、もうやってらんね〜〜〜!!!!と思ったその時...メルカリ(神)が情けをかけてくれたおかげで購入することができた。もちろん定価よりは高かったんですけども。運命、信じてたよ。出品者さん、本当にありがとうございます。
TRRS(4極)ケーブルの苦悩
左右分割キーボードの場合、左右を繋げるためにケーブルが必要になる。
その際に用いるのがTRRS(4極)ケーブルになる。
オーディオケーブルなので厳密な話は不要と言えば不要なのだが、以下にリンクは貼っておく。
ヘッドセットの「3極」「4極」って?その違いは何? | ヘッドセット&スピーカーフォン お悩み解決ナビ
イヤホンプラグの種類って? | レコチョクのエンジニアブログ
オーディオ用途の中でも結構特殊でオスオスのケーブルが必要なのだが、Amazonなどで調べてもらうと分かるとおり、そこまで選択肢は多くない。
個人的には前回記事でも多少話が出ていたが、両側Lコネクタで、ケーブルは編み込みで50cm未満...というものを探していたのだが、そんなに都合の良いものはどうやらなさそうだった(オーディオ用途で考えると上述のスペックは箸にも棒にもかからないクソスペックなのだろう...)
結局購入したのは以下の商品だ
なお、TRRSケーブルにも「自作」という概念が存在する。また少し違った技術が要求されるようなので今回は採用を見送った。
無線への羨み
少し寄り道になるが、無線化についても調べたので調べた情報だけいくつか列挙しておく。
自作キーボードビルドログ:その2「ErgoDash」無線化対応 ハードウェア編 - Qiita
有線キーボードをワイヤレス化する唯一の方法「USB2BT Plus」 - あなたのスイッチを押すブログ
前者の選択肢ははんだの難易度が異常に高そうなのでかなり気が引けている。
また後者の選択肢についてもちょっと考えたが、全然無線じゃない感じの配線が予想されたため断念。
そして完成へ
キーレイアウトに殺される
今回は4key2Uinnnerというタイプを作ろうとしている。
とりあえず適当にキーキャップを配置したのだが一番親指側のキースイッチにキャップを嵌めるときに何故かキャップの軸を捉える部分が割れてしまった。南無三。(shiftキーがほぼ全部軸部分が割れた。)
焼き込み(成功)
そもそも、前回作業時には通電確認なども含めてpromicroにはファームウェアを焼き込んでいた。が、そんな記憶は一切残っていないので1からすることになり、前回苦労したmsys2関係の話も水の泡である。今回は以下の方法で成功した。
keyboardからErgoDashを選択。Layoutから今回利用する4key_2u_innerを選択。
GUI上でキーマップを選択できるのであこれこれ調整。
ここで忘れないようにしたいのはレイヤー切り替え用のキーの設定である。
Quantum欄にある、「Layer and Layer Tap functions」にある設定を割り振っておく必要がある。詳しくはキーコードの説明を読もう。
後で設定を確認できるようにjsonファイルを出力しておこう。
そしたら「compile」を選択。処理が終了したら、Firmwareを押下してダウンロード。「.hex」のファイルがダウンロードされる。
そしたらここのページを開いてダウンロードしてきた.hexファイルを開いてキーボードを接続する。今回はリセットボタンも実装済みなのでProMircoを基盤にぶっ刺してusbにつなぐ。「flash」を押下すると端末の選択画面が出るのでキーボード側リセットボタンを押して準備完了。端末を選ぶと自動的に書き込みが始まるので待つ
設定が完了したあとのキーボードの入力チェックは以下で行った
ちょっとしたキーボード故障チェック・テスト - ちょっとしたタイマー
気をつけるところ、つまづいたところ
usbケーブルの規格である。mogemicro対策でマグネット式で端子が付け替えられるものを購入していたのだが、どうやらデータ転送に対応していなかったらしく、焼き込みができないという悲劇に見舞われた。ケーブルは複数用意していたほうがまさかの自体に備えやすい。
焼き込み(失敗)
試したけどよくわからなかった方法も置いておく。
msys2及びqmk msysを利用する方法
salicylic-acid3.hatenablog.com
これらの方法は最もカスタマイズ性が高い方法だと思っているのだが、扱うツールも多く、どの作業が何をしているのか、今自分がしたい作業はどの部分の作業なのかが掴めず終わってしまった。結果としてunderglowも光らせることができないまま使用している。いつか挑戦します...*1
終わりのない旅へ
僕の手元にはいくつかのキースイッチと大量のLED用のダイオードが残った。
あとは苦いような甘いようなたくさんの思い出も。
今は「もしかして両手キーボードって使いにくいかも?」という気持ちや「キーマップ考えるの大沼じゃん」と楽しく余生を過ごしている。
写真を用意するのが面倒だったので完成品の写真すら載せない異常に文字ばっかりなビルドログになってしまった。まぁ...いいか....
それでは、また別のキーボードでお会いしましょう。それではごきげんよう。
*1:その他資料はこちらQMK-MSYSを使ってWindows上に最速でqmk環境を構築する